【最新】給与所得控除とは?計算方法・令和7年度の改正や基礎控除との違いも解説 法制度情報 公開日:2026年02月20日(金) 給与所得者にとって、所得税の計算における控除制度は非常に重要な要素です。特に「給与所得控除」や「特定支出控除」は、実際の税負担を軽減するための仕組みとして知られています。これらの制度は、働く人々の実情に即した税制を実現するために設けられており、法改正によってその内容も変化してきました。 本稿では、まず給与所得控除の基本的な仕組みを解説し、次に給与所得者に関係する特定支出控除について触れます。さらに、改正前後の法制度の違いを比較しながら、給与所得額の具体的な計算方法を紹介します。これにより給与所得控除の基本を押さえ、適切な対応ができることを目指しましょう。 目次給与所得控除とは 給与所得者に関係する「特定支出控除」とは 改正前と改正後(令和7年度)の法制度の違い 給与所得控除額の計算方法 まとめ 給与所得控除とは 給与所得控除とは、給与所得者が税金を計算する際に、収入から一定額を差し引くことができる制度です。そして、正社員だけでなく、契約社員・派遣社員、アルバイト・パート、公務員、役員等の給与を受け取っているすべての人が対象です。 これは、給与所得者が仕事をする上で必要な経費(通勤費、文房具、スーツなど)を個別に申告できない代わりに、あらかじめ決まった金額を「みなし経費」として控除することで、税負担を軽くする仕組みです。 給与所得と給与収入の違い では、給与所得とは何なのでしょうか。 よく混同されがちなのは「給与収入」です。「給与収入」とは、会社から支払われる給与・賞与などの総額を指します。一方、「給与所得」は、給与収入から給与所得控除を差し引いた後の金額で、実際に課税対象となる所得です。 知っておいてほしい基礎控除との違い 基礎控除とは、年間の合計所得金額が2,500万円以下であれば誰でも適用される控除で、合計所得金額に応じて基礎控除額は異なります。給与所得控除を受けられない事業所得者や年金受給者なども基礎控除は適用されます。 下の表は法改正前、法改正後(令和7年度・8年度)、令和9年後以降の基礎控除額を表したものです。 出典:国税庁「令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について」 給与所得者に関係する「特定支出控除」とは 特定支出控除は、給与所得者のその年中の特定支出の額の合計額が給与所得控除額の2分の1相当額を超える場合に、確定申告によりその超える部分の金額をさらに差し引くことができる特例です。 対象となる支出には、以下のようなものがあります。 ・一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出(通勤費) ・勤務する場所を離れて職務を遂行するための直接必要な旅行のために通常必要な支出(職務上の旅費) ・転勤に伴う転居のために通常必要であると認められる支出(転居費) ・職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出(研修費) ・職務に直接必要な資格を取得するための支出(資格取得費) ・単身赴任などの場合で、その者の勤務地または居所と自宅の間の旅行のために通常必要な支出(帰宅旅費) ・次に掲げる支出(その支出の額の合計額が65万円を超える場合には、65万円までの支出に限ります。)(勤務必要経費) (1)書籍、定期刊行物その他の図書で職務に関連するものを購入するための支出(図書費) (2)制服、事務服、作業服その他の勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための支出(衣服費) (3)交際費、接待費その他の費用で、給与等の支払者の得意先、仕入先その他職務上関係のある者に対する接待、供応、贈答その他これらに類する行為のための支出(交際費等) この控除を受けるには、領収書などの証明書類を添付して確定申告を行う必要があります。 改正前と改正後(令和7年度)の法制度の違い 令和7年度の改正では、給与所得控除や基礎控除等に変更があり、最低保障額が引き上げられました。 給与所得控除の最低保障額が55万円から65万円、基礎控除額が48万円から58万円となりました。 これにより、給与所得控除額の計算式も変化しました。 給与所得控除額の計算方法 では、給与所得控除はどのように計算されるのでしょうか。 収入金額によって大まかに分類されます。令和7年度より、給与所得控除額は以下のように計算されます。 出典:国税庁「No.1410 給与所得控除」 年収500万円 の場合: ・該当する区分:3,600,001円~6,600,000円 ・計算式:5,000,000×20%+440,000=1,000,000+440,000=1,440,000円 つまり、給与所得控除額は 1,440,000円 となります。 まとめ ここまで、給与所得控除・法改正前後の違い・計算方法について解説してきました。 給与所得控除は、給与所得者の税負担を軽減するための重要な制度です。特定支出控除や法改正の影響も踏まえ、正しく理解しておくことで、年末調整や確定申告の際に損をしないようにできます。特に高所得者や転勤・資格取得などがある方は、追加控除の可能性もあるため、しっかりと情報収集をしておきましょう。 また、給与所得控除について興味をお持ちの方には、「POSITIVE」をぜひご紹介したいと思います。POSITIVEは、給与や手当の詳細な規定を網羅しており、複雑な給与計算も、経験豊富な技術者のサポートのもとで対応させることが可能です。法改正が伴った制度変更の際は、運用保守のサポートのほか、定期的な資料提供やセミナー配信などを通じて、ユーザーの皆様がスムーズに活用できるようフォローいたします。 人事システムの検討で迷うことがあれば、お気軽にご相談ください。 執筆者略歴 中上 結名 株式会社電通総研 HCM本部 HCMコンサルティング5部 新卒で入社以来、大手企業向け統合HCMソリューション「POSITIVE」のカスタマーサクセス業務に従事。「お客様のニーズに合ったモノを提供し続けたい」という思いで日々業務に取り組んでいる。 ※このサイトに記載されている社名・商品名・サービス名等は、それぞれの各社の商標または登録商標です。 ※このコラムは執筆者の個人的見解であり、電通総研の公式見解を示すものではありません。