スクラッチ開発からの脱却|人事システム刷新を成功させる4つのポイント

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多くの企業で利用されているスクラッチ開発の人事システムでは、保守性の低下、法改正対応の負荷増大、ブラックボックス化など、さまざまな課題が顕在化しています。

本記事では、スクラッチ開発の人事システムから統合HCMパッケージへの刷新におけるよくある課題、選定時のポイント、失敗を防ぐための注意点、そして統合HCMパッケージ「POSITIVE」が選ばれる理由を整理してお伝えします。

✓ 本記事のポイント

1.スクラッチ型人事システムの問題が年々増加
スクラッチ型の人事システムは、法改正対応・技術者不足・ブラックボックス化などで維持が困難になっております。業務負荷が年々高まり、今後の運用リスクは増す一方となっています。

2.パッケージ移行、成功のカギは“要件整理とベンダー選定”
システム刷新の失敗の多くは「自社要件への固執」や「目的の不明確さ」。成功には業務のあるべき姿の定義と、上流から伴走できるベンダー選びが不可欠です。

3.なぜPOSITIVEが選ばれているのか?
法改正への即応、1,000名超の技術者、業務の一元管理など、日本企業向けに最適化された統合HCM。トヨタ・ANAも導入する安心の実績。現状診断やコンサルティングもご活用いただいています。

スクラッチ開発システム利用者からよくいただく相談・課題

多くの企業がスクラッチ開発の人事システム運用に苦労しています。その中でも特に弊社へ頂く人事システム運用の課題について4つご紹介します。

1-1.老朽化による保守リスクの増加

スクラッチ開発した人事システムでは年々保守管理が難しくなっています。その原因は主に2点です。

  • 開発環境の老朽化
    すでにサポートが終了した開発環境で稼働しており、セキュリティパッチやバグ修正が提供されないためトラブル発生時に迅速な修正が難しい。
  • 技術者の減少
    開発当時の技術者の退職や新たな人材の不足など、問題が起きても適切な対応ができない。また、開発しているシステム言語が古く、技術者の外部調達も年々難しくなってきている。

1-2.法改正・制度改正対応の限界

人的資本経営が注目され法改正や人事制度変更のたびに人事システムを更新する負担が非常に大きくなっています。具体的な問題として以下の3点があります。

  • 毎年恒例の制度改正に追われる
    年末調整など毎年実施される法改正への対応だけでなく、社内の制度改正対応も発生するため業務負荷が非常に高くなる。

  • 全工程を社内で対応する必要がある
    法改正対応における作業工程は、制度変更情報の収集から仕様検討、システム実装まで多岐にわたる。これら全ての工程を制度改正のたびに人事部門と情報システム部門で担う必要があり、多くの時間を制度改正対応に費やすことになる。
    また、リードタイムが足らず、法改正にシステム改修が間に合わないケースもある。

  • システム外での手作業が増加
    システムで対応できない改正内容については、Excelなどで個別管理が増え作業ミスや業務非効率につながる。

1-3.ブラックボックス化

長期間運用されたスクラッチ開発システムはブラックボックス化が進行し、内部構造の把握が困難になるという深刻な課題に直面します。

  • 設計者や開発者の不在
    システムを設計した担当者の退職や設計書などのドキュメントが十分でない事から、現行システムの仕様や検討経緯を理解できない。

  • 仕様が不明確なため改修作業が進まない
    内部仕様が分からないため少しの変更でも全体に悪影響が出るのではないかという不安から、システムの改善が進まない。
    また、実際に仕様変更をかけると、想定外の影響が出てシステムが止まることがある。

1-4.システムの散在による非効率な業務

人事システムが個別に管理されることで業務効率が低下する問題点もあります。

  • データの分断
    人事、給与、勤怠、工数管理、目標管理、退職金管理、寮社宅管理、タレントマネジメントなどのシステムを別々に構築しており、データが一元化されておらずデータ連携や照合といった業務が発生してしまう。

  • 連携エラーと業務停止
    データが散在することでシステム間の連携がうまくいかず、業務停止やタイムラグが発生する。

スクラッチ開発型人事システムからパッケージ型への移行における失敗例

スクラッチ開発型のシステムからパッケージ型に移行するときの陥りがちな失敗例として以下の3点が挙げられます。

  • 自社要件に固執しすぎてパッケージの活用効果が限定的になった
  • 現状把握やありたき姿が定義できておらず必要な業務プロセスの整理が難航した
  • 要件・機能の増加に伴い、システム導入費用が増え投資対効果が減少してしまう

スクラッチシステムの自社要件に慣れすぎてしまうと、新システムにも多くの機能を求めがちになります。その結果、システム要件が複雑になり予算と合わず検討が難航するケースや、本来の目的である業務の効率化が遠ざかってしまうことがあります。

パッケージ型への移行時は業務の「あるべき姿」を明確化しパッケージ標準機能を活かし、必要な機能に絞り込むことが大切です。

これらを把握したうえで、現状の可視化や業務プロセスの見直しを事前に行い、システム刷新の計画に取り入れることで、失敗のリスクを抑えることができます。

人事システム刷新を成功させるポイント4選

人事システムの刷新を成功させるためには解決したい課題やあるべき姿の整理が不可欠です。その中でも多くの企業から相談をいただく刷新時におさえるべきポイントを4つご紹介します。

ポイント① 法対応力と信頼性を重視

人事や給与の業務では毎年のように法律が変わるため、改正された法律をすぐに反映できる仕組みが求められます。
とくに国産のシステムなら制度変更が発生した場合、迅速かつ正確に対応できるため安心して運用できます。

ポイント② 技術力とサポート体制が充実したベンダー選定

人事システムの刷新では多くの作業が発生します。そのためシステムの機能だけでなく、以下の要素をもつベンダー選定が必要になります。

  • 開発実績が豊富で専門的な知識を持つ
  • 委託範囲を柔軟に調整でき、トラブル時にもスムーズに連携できる
  • 現行の自社システムを分析し、改善提案できる技術がある

ポイント③ 要件定義やシステム設計を伴走してもらえるか

導入前に業務プロセスを分析し、必要な機能を明確にすることも必要なポイントの1つです。
単純な機能のFit&Gapだけでなく、業務分析(As-is/To-be)や機能要件の作成といった上流から伴走できる企業を選ぶことも重要です。

ポイント④ 人事・勤怠・給与・ワークフロー等の一元管理が可能か

人事業務をひとまとめに管理できる仕組みかどうかも重要な要素です。各業務をひとつのシステムでまとめて管理できれば、データの一元管理やスムーズな業務遂行による生産性向上などのメリットがあります。

スクラッチ開発移行で統合HCMソリューション「POSITIVE」が選ばれる理由

スクラッチ開発の人事システム刷新にあたり、当社のHCM統合システム「POSITIVE」が選ばれています。ここでは、「POSITIVE」を導入したお客様からいただく「POSITIVEが選ばれる理由」をご紹介します。

選ばれる理由① 法改正への信頼性とタイムリーな対応力

POSITIVEは日本企業の人事制度に特化し、毎年の税法改正や制度変更に対し迅速に対応できます。それにより人事担当者や情報システム部門の法改正に追われる負担が軽減されます。

選ばれる理由② 1,000名を超える豊富な技術者数

POSITIVE導入に携わることができる技術者は1,000名を超えており、技術者不足によりシステム維持が困難になることはありません。
また、技術者を育成する「POSITIVE導入実践教育プログラム」により、将来的にも安定したサポートが受けられます。

選ばれる理由③ 保守運用における柔軟な役割分担

POSITIVEでは、ベンダー主体でのシステム保守に加え、お客様と領域毎で役割を分担しながらシステム保守をすることも可能です。お客様の体制に合わせたサポート体制が提供できることが選ばれる理由の1つです。

選ばれる理由④ 上流からの支援-グランドデザイン構想段階から伴走

弊社はシステム導入だけでなく、現状の業務プロセス(As-is)を正確に把握し、理想の業務プロセス(To-be)を定義する上流工程の支援が可能です。
人事業務担当者へのインタビューによる課題の洗出しから、情報システム部門と連携したシステム構成の検討といったグランドデザインの構想段階から伴走することで、ありたき姿を実現します。

選ばれる理由⑤ 人事業務を1つのシステムで完結

人事、給与計算、勤怠管理、退職金管理、申請手続き、さらには社員の能力管理まで、1システム1DBで管理できます。業務ごとに別々のシステムを使う必要がなくなり、効率的で生産性の高い人事業務を実現します。

スクラッチ開発からPOSITIVEへの移行事例

下記の3社は、従来のスクラッチ開発による人事システムからPOSITIVEへ移行し、運用負荷を大幅に削減することができました。

  • トヨタパーソナルサポート株式会社
  • ANAホールディングス株式会社
  • KYB株式会社

導入の背景から現場の反応、移行後の成果までを詳しくまとめた事例集は以下から無料でダウンロードいただけます。自社の人事システムを見直す際のヒントとして、ぜひご活用ください。

まとめ

現行のスクラッチ開発型人事システムの刷新を成功させるためには、自社課題への理解と適切なパッケージおよびベンダー選定が重要となります。
その中でも統合HCMソリューション「POSITIVE」は法対応力、柔軟な支援体制、統合管理を強みとして企業の刷新を後押しする事例が多くございます。

✓ 大企業に選ばれる統合HCMソリューション「POSITIVE」

  • 法対応力と信頼性
  • 技術力とサポート体制
  • 上流工程からの伴走
  • 統合パッケージによる業務・データの一元管理

さらに、現状把握やあるべき姿のグランドデザインの策定や導入運用までをワンストップで強力にサポートする「コンサルティングサービス」もご提供しております。ぜひこの機会にご検討ください。