【第3回】住民税特別徴収税額通知書電子化に向けた準備

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第2回コラムでは、納税義務者用の特別徴収税額通知書が電子化された背景についてご紹介しました。今回の改正では、従業員視点で見ると通知書の内容を確認する方法が煩雑になり、手間が増えたように思えます。しかし、通知書の紛失リスクの減少や、個人情報流出のリスクを低減する点など、従業員にもメリットのある改正ということをお伝えしました。それでは、電子化に向けてどのような準備が必要なのでしょうか。本稿では、給与支払報告書の提出時に使う「PCdesk」(電子申請を行うために地方税ポータルシステム「eLTAX」が公開しているツール) の操作の注意点と、使用できるファイル解凍ソフトの確認、従業員への通知書の配付方法についてご紹介します。

電子データ受け取りのためのPCdesk操作方法

第1回コラムでもお伝えしたとおり、納税義務者用の特別徴収税額通知書を電子データで受け取るには、PCdeskから給与支払報告書を提出する際に受け取り方法の指定が必要です。納税義務者用の通知先を設定するときに、「電子データをeLTAXで受け取る」を選択します。特別徴収税額通知に関するメールは 、通知先設定登録したメールアドレスに直接送信されるため、特定個人情報取扱事務担当者のメールアドレスを指定します。

解凍ソフトの整備

電子データでの受け取りをお考えの場合、解凍ソフトの整備についても考慮が必要です。納税義務者用の電子税通帳票ファイルは、Windows標準の解凍ソフトで解凍することができません。そのため、各 従業員がファイルを解凍する際には、動作確認済みの解凍ソフトがインストールされている必要があります。

なお、PCdesk操作の詳しい手順や使用可能な解凍ソフトについては、eLTAX公式サイトで情報公開されています。改定の可能性もあるため、定期的に公式サイト をご確認ください。

eLTAX「マニュアルコーナー」手続き別ガイド_給与支払報告書及び源泉徴収票電子的提出一元化 ガイドブック
https://www.eltax.lta.go.jp/support/manual/

eLTAX「個人住民税特別徴収税額通知(納税義務者用)電子化に係る特別徴収義務者向け特設ページ」⑤_通知書ファイル(ZIPファイル)解凍ソフトについて
https://www.eltax.lta.go.jp/news/08036

従業員への通知書配付方法の運用変更

納税義務者用の電子化対応において 、給与事務担当者の作業フローが大きく変わるのは各従業員への配付方法です。基本的な配付方法として、メールや各企業が保有している給与計算システムが挙げられます。また、メールや給与計算システムでの通知書配付が難しい一部従業員に対しては、USBメモリ等での配付や印刷して配付する方法も可能です。

なお、通知書を印刷する場合には、従業員本人の同意を得てから取り扱う必要があります。印刷物が第三者に閲覧されないよう適切に封入する等の対策が必要になる点にもご留意ください。以上を踏まえて、基本的な通知書の配付方法である、メールと給与計算システムそれぞれの作業手順を見ていきましょう。

メールで配付する方法

以下に、メールで通知書を配付する場合の、給与事務担当者のファイル取得から従業員が各ファイルを受け取るまでの手順を図で 示します。

こちらの手順について、詳しくは連載第1回をご覧ください。
第1回 個人住民税特別徴収税額通知の電子化に関する概要とフローの変更点

メールで配付する方法の場合、紙の通知書と比較すると、通知書を社内便や郵送等の方法で1枚ずつ配付する手間を省くことができます。

ただし、メールで配付する場合は、次でご紹介する給与計算システムを活用する方法と比較すると、①でダウンロードしたファイルを添付したメールを従業員ごとに作成する手間がかかります。

また、メール送信には、誤送信など手作業によるミスのリスクがあります。第2回コラムで電子化には通知書紛失リスクの減少など、個人情報保護の観点からメリットがあるとお伝えしましたが、メールによる配付はこのメリットを減少させてしまいます。また、誤送信を防ぐため、メール送信前には入念なチェック作業が必要と考えられます。よって、通知書の電子データ受取に対応したとしても、メールで配付作業を行う場合には業務効率化のチャンスを生かしきることができません。

給与計算システムを活用する方法

給与計算システムを利用する場合は、従業員ごとのメール送信作業を省略し、さらに業務を効率化できる可能性が あります。たとえば、今回の納税義務者用の電子化にも対応している人事給与就業統合パッケージ「POSITIVE」を活用すれば、下記のようにスムーズに従業員へ電子化された通知書を配付 することができます。

POSITIVEを活用してスムーズな電子化対応を

以下に、POSITIVEを活用する場合の、給与事務担当者のファイル取得から従業員が各ファイルを受け取るまでの手順を示します。

給与事務担当者の作業フローは次の通りです。
① 従業員ごとの税通帳票ファイルとパスワード確認用URLファイルの一覧ファイルを、PCdeskから自身のPCにダウンロードする。
② ダウンロードしたファイルをPOSITIVEに取り込む。

POSITIVEを活用する場合に注目すべき点は、②のファイル取り込みです。給与事務担当者が自身の端末からPOSITIVEにファイル群を取り込むだけで、従業員への配付 を完了 することができます。紙やメールでの対応による煩雑な配付作業が一切不要になるため、大幅な業務コスト削減が期待できます。

まとめ・筆者の見解

本稿では、給与事務担当者が事前準備しておくべきこととして、給与支払報告書提出時のPCdesk操作と使用可能な解凍ソフトの確認、従業員への通知書配付の方法についてお伝えしました。また、POSITIVEを活用した業務効率化 についてご紹介しました。

さらに、従業員に電子化について周知し、操作のサポート体制を整えておくことも重要です。例えば、eLTAX公式サイトでは、従業員向けのリーフレットや、操作方法を具体的に説明する動画が公開されています。これらを活用して運用変更前に操作方法をわかりやすく示し、問い合わせに対応できる体制を整えておくことが、円滑な運用変更と従業員の理解促進に繋がります。

また、今回の改正は、事務負担軽減や業務効率化だけでなく、「Society5.0」の実現に向けた政府によるデジタル化推進やサステナブルな社会の実現に向けた取り組みにも繋がるものと考えます。Society 5.0とは、サイバー空間とフィジカル空間を融合するシステムにより、課題を解決する新たな社会のことを指します。通知書の電子化を含め、政府のデジタル化への取り組みに参加することで、手続きの効率化や環境負荷の軽減に寄与することができます。

例えば、今回の改正に対応することで、紙資源の利用を減らし、通知書の郵送にかかるCO2を削減できます。デジタル化は業務効率化やコスト削減などのわかりやすいメリットで語られる場面も多くありますが、時には目の前の課題を大きな視点で捉え直すことが必要ではないでしょうか。企業がデジタル化などの取り組みに積極的に対応することで、業務効率化だけではなく、サステナブルな社会やSosiety5.0の実現に向けた一歩となるでしょう。

私たちの製品であるPOSITIVEは、このような時代のニーズに合わせて設計されています。私たちはお客様とともに、新たな時代に向けて挑戦し、これからも進化し続けていきます。ぜひ、次世代 の人事業務に向けて共に歩んでいただければ幸いです。

執筆者略歴

梶 恭子
株式会社電通総研
HCM事業部製品企画開発部

新卒で入社以来、大手企業向け統合HCMソリューション「POSITIVE」の法制度改正対応や新機能開発に従事。「課題解決に真摯に向き合い、お客様と共創していきたい」という思いで日々業務に取り組んでいる。

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※このコラムは執筆者の個人的見解であり、電通総研の公式見解を示すものではありません。