組織開発とは?経営・人事が実践する”強い組織”のつくり方とシステム活用

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企業を取り巻く環境が大きく変化する中、組織のあり方や人材の活かし方がこれまで以上に問われています。
今、注目されている「組織開発」とは、組織とそこで働く人々がともに成長し、変化に強い組織をつくるための取り組みです。では、なぜ今、組織開発という考え方が注目されているのでしょうか。

本記事では経営・人事の視点から、組織開発の必要性や実践のポイントについて、わかりやすく解説します。

はじめに|組織開発が“今”求められる理由 

近年、社会や企業を取り巻く環境は大きく変化しており、組織開発の重要性がますます高まっています。その背景には、働き方や価値観の多様化、テクノロジーの進化、人材の流動化など、さまざまな時代の変化があります。
まずは、従業員エンゲージメントが重視されるようになった時代背景を、以下の図でご紹介します。

働き方の多様化と価値観の変化 

近年、働き方の選択肢が広がっており、リモートワークやフレックスタイム制、副業・兼務の解禁など、従来の「会社に集まって働く」スタイルから、個人のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方へとシフトしています。
また、働き手の仕事に対する価値観も「安定」や「収入」だけでなく、「自己成長」「社会貢献」「働きがい」など多様化していることも事実です。こうした変化に対応するためには、組織自体が柔軟に変化し、個人の力を生かせる仕組みを整える必要があります。。

急速な環境変化への適応力の必要性 

テクノロジーの進化や社会構造の変化など、企業を取り巻く環境は変化し続けています。
「固定化された組織体制」のままでは、こうした変化に対応しきれず、競争力を失うリスクが高まります。そのため、変化に強い組織を作るための土台として、組織の風土やコミュニケーションのあり方を見直す組織開発が注目されています。

人材の流動化とエンゲージメント向上の重要性 

「自分らしく働ける環境」を求めて転職や独立を選ぶ人材が増えてきていることも事実です。
そのため、企業にとっては「この組織で働き続けたい」と思ってもらえる魅力づくりが必要であり、個人の成長やキャリア形成を支援し、組織へのエンゲージメントを高める取り組みが求められます。個人と組織の関係性を深め、持続的な成長と定着を実現するためにも組織開発は有効な手段です。

組織開発とは“人“組織”の成長を両立する考え方

そもそも組織開発とは何を意味するのでしょうか。ここでは、組織開発の基本的な考え方と、人材開発との違いについて整理します。

組織開発=組織と個人がともに成長する仕組み

組織開発(OD:Organization Development)とは、「組織のメンバー自身が主体となって、組織をより良くするための取り組みや、そのプロセスを支援する考え方です。個人が持つ力を最大限に引き出しながら、組織としての目標達成や、持続的な成長を実現することを目的としています。
組織の風土やコミュニケーション、価値観の共有など、目に見えにくい要素にも働きかける点が特徴です。

人材開発との違い|“個人”だけでなく“組織全体”に働きかける

人材開発は、主に個人のスキルや能力の向上を目的とした教育・研修などの取り組みを指します。一方で組織開発は、個人だけでなく組織全体の関係性や構造、風土に働きかける点が大きな違いです。例えば、組織開発では「部門間の連携強化」や「心理的安全性の向上」など、組織全体の変化を促します。
つまり、組織開発は個人の成長はもちろん、組織全体がより良い方向へ発展するための仕組みづくりに重点を置いているのが特徴です。

組織開発の“つまずきポイント”|なぜ導入が難しいのか

組織開発は、理論やフレームワークが広まりつつある一方で、実際に導入してみると様々な壁にぶつかることがあります。
ここでは、組織開発がうまく進まない理由や、現場でよくみられる課題について整理します。

よくある誤解や失敗例 

組織開発の導入がうまくいかない背景には、典型的な誤解や失敗パターンがあります。いくつかの例を以下に挙げます。

・「組織開発=研修や制度の導入」と誤解してしまう
・現場の声を十分に拾わず、トップダウンで進めてしまう
・短期間で成果を求めすぎてしまう

これらの失敗例を避けるためには、組織開発の本質を理解し、現場の声を大切にしながら、長期的な視点で取り組むことが重要です。

経営層・人事が感じる壁 

組織開発を推進する立場である経営層や人事部門だからこそ感じる“つまずきポイント”も存在します。
まず、「何から手を付ければいいかわからない」「効果が見えにくい」といった声が挙げられます。実情として、組織開発は数値で測りにくい部分も多く、成果がすぐに表れないため、投資対効果を判断しづらい点が課題です。
また、日々の業務に追われて、継続的な対話や関係構築に時間やリソースを割けないことも導入を難しくしています。

組織開発の実践ステップ|“最初の一歩”から始める方法

1.ゴールイメージを描く

組織として目指す理想の姿や、達成したい状態を明確にします。例えば、
「お客様や社会の変化に素早く対応できる柔軟な意思決定プロセスが整っている」
「多様なバックグラウンドを持つ人材が互いに刺激し合い、新たな価値を生み出している」
「日々の業務の中で、社員同士が自発的にフィードバックを送り合い、成長を後押しする文化が根付いている」
など、現場のメンバーも巻き込みながら、共通のゴールを描くことがポイントです。

2.現場の声とデータを集める

メンバーの意見や現状の課題、定量・定性データを幅広く収集します。定量的なデータと定性的な声の両方を集めることで、課題の本質が見えてきます。

3.課題を設定する

収集した情報をもとに、解決すべき具体的な課題を特定します。課題は「コミュニケーション不足」「エンゲージメントの低下」など、現場の実感に根差したものであることがポイントです。

4.小規模で試す

最初から全社的に取り組むのではなく、まずは一部の部署やチームで、施策を試験的に実施します。これによって、リスクを抑えながら効果や反応を確認できます。

5.成果と学びを“見える化”する

取り組みの結果や得られた知見を、数値や事例として分かりやすく共有します。成功事例や改善点を社内にオープンにすることで、他のメンバーの理解や共感を得やすくなります。

6.”成功体験”を全社へ展開する

小さな成功を積み重ね、他部署や全社へと広げていきます。現場の声や成果を生かしながら、組織全体で変化を促進します。

7.継続的な対話とアップデートを行う

定期的に振り返りを行い、現場の声を反映しながら施策を改善し続けます。組織開発は“継続”がキーとなるため、アップデートを重ねることが重要です。

組織開発の“成功体験”を生み出す3つのポイント

組織開発を効果的に進めるには、単に施策を導入するだけでなく、現場で「成功体験」を積み重ねることが重要です。ここでは、組織開発の取り組みを定着させ、成果につなげるためのポイントを解説します。

経営層・管理職の関与と現場の巻き込み 

組織開発の成功には、経営層や管理職などの積極的な関与が不可欠です。リーダー層が自らビジョンを示し、現場の声に耳を傾けることで、組織全体に「本気度」が伝わります。
また、現場のメンバーを巻き込み、意見やアイデアを取り入れることで、納得感や主体性が生まれ、取り組みが浸透しやすくなります。トップダウンとボトムアップの両方をバランスよく組み合わせることが、組織開発の推進力となります。

小さな成功の積み重ね

大きな変化を一度に目指すのではなく、まずは身近な課題から取り組み、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。
例えば、部署内のコミュニケーション改善や、業務プロセスの見直しなど、すぐに実感できる成果を出すことで、メンバーのモチベーションが高まり、次のチャレンジにつながります。小さな成功を社内で共有し、正しく評価することで、組織全体に前向きな雰囲気が広がります。

システムを使った継続的な改善

組織開発は、対話や現場の巻き込みが重要である一方、勘や経験だけで進めると、課題の優先順位や施策の効果が見えにくくなります。
そこで重要になるのが、人材情報や組織データを一元的に把握し、現状診断から施策実行、効果検証までを継続的に回せる仕組みです。PDCAサイクルを回しながら、定期的に施策をアップデートすれば、組織の成長を継続的に支えることができます。
こうしたシステムの活用によって、組織開発の取り組みを効率的かつ効果的に進めることができます。

システムで変わる組織開発|POSITIVE活用の具体例 

前章では、組織開発にはシステム活用の有効性についてご紹介しました。
電通総研の統合HCM(Human Capital Management)ソリューション「POSITIVE」は、人事・人材情報を一元管理し、タレントマネジメントやAI分析などの機能を備えております。ここでは、POSITIVEを活用することで実現できる組織開発の具体的なアプローチと、その効果についてご紹介します。

タレントマネジメントやAI分析による現状診断 

POSITIVEの「タレントアナライズ」機能では、蓄積された人事データをもとに、配置・登用・離職兆候などに関する分析や示唆を得ることができます。
例えば、「推論モデル」機能を使えば、成果向上に影響する要素をAIによって抽出し、異動候補者のランキングや最適な配置先を予測することができます。また、「分類モデル」機能では、離職につながる兆候や傾向を把握し、早期対応策の検討に役立てることも可能です。これにより、組織の課題を客観的に把握でき、戦略的な人材配置やリスク管理が実現します。

 

スキル・キャリア情報の可視化 

POSITIVEでは、職務・業務・スキル・キャリア情報を体系的に管理できるため、社員一人ひとりのスキルやキャリアパスを可視化できます。職務定義機能では、職務ごとに必要なスキルを細分化し、各社員の保有スキルやレベルを把握可能です。キャリア管理機能では、キャリアマップやキャリアパスを公開し、社員自身が目標設定やキャリアアップ計画を立てられる環境を提供します。
これにより、組織全体のスキルギャップや人材育成の方向性を明確にし、個人と組織の成長を両立できます。

データに基づく意思決定とPDCAサイクル 

POSITIVEのダッシュボードやKPI分析機能を通じて、組織の人材データをリアルタイムで可視化し、意思決定を支援します。
独自の人事指標を設定し、過去から現在までの推移をグラフで確認できるため、施策の効果検証や改善点の抽出が容易です。
さらに、分析結果をもとにPDCAサイクルを回し、組織開発の施策を継続的にブラッシュアップできます。グループ会社間でのデータ統合や比較も可能なため、全社的な視点での戦略立案にも活用できます。

まとめ

さてここまで、組織開発の概要、実践ステップ、そしてシステム活用の方法とその効果について解説してまいりました。
組織開発は、単発の研修や制度導入ではなく、組織の関係性・風土・仕組みを継続的に見直し、変化に強い組織をつくる取り組みです。そのためには、現場の声を起点にしながら、組織の状態をデータで把握し、施策の効果を検証し続けることが重要です。

POSITIVEは、人材情報の一元管理やタレントマネジメント、AI分析機能などを通じて、組織課題を“見える化”し、戦略的な意思決定や継続的な改善を力強くサポートします。組織開発の本質である「現場の声を生かし、変化に強い組織をつくる」ための基盤として電通総研の統合HCMソリューション「POSITIVE」をご検討いただき、貴社の持続的な成長と変革の実現にお役立てください。

執筆者略歴

新井 智也 


株式会社電通総研
HCM本部 HCMソリューション企画開発部

新卒で入社以来、大手企業向け統合HCMソリューション「POSITIVE」の法制度改正対応や新機能開発に従事。お客様の業務に真に役立つ価値を届けること、そして信頼される製品づくりを目指して、日々改善と挑戦を続けている。

 

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このコラムは執筆者の個人的見解であり、電通総研の公式見解を示すものではありません。